
2025年7月4日、東京・国立競技場で幕を開けた第109回日本陸上競技選手権。
男子100m予選2組に登場した星稜高校2年の 清水空跳(しみず・そらと) が、U18日本タイ記録となる 10秒19 をマークし、堂々2位でゴールしました。昨年6月に記録した自己ベストをわずか1か月で0秒01更新。高校2年生が社会人/大学生のトップスプリンターを押しのけて準決勝へ進む快挙です。
今回は、このあとの清水空跳選手の「この先」を大胆予想してみたいと思います。
タイムの価値 ― “桐生2世”と呼ばれる理由
10秒19は、日本選手初の9秒台ランナー桐生祥秀が高校2年だった2012年に出したタイムと同じ数字です。
高校歴代記録でも4位に相当し、「桐生2世」の呼び声にふさわしいインパクトを与えました。高校2年生の7月時点でこの記録を出していることを考えると、成長著しい高校生のうちに桐生選手の高校記録も塗り替え、9秒台をたたき出すことも現実味を帯びてきたように思います。
なお、清水選手がさらにすごいところは、早生まれの2月生まれという点です。高校2年生の早生まれ世代として、この時期の10秒19を出せるということは、とてつもない記録といえます。
まずは、今回の日本選手権でどこまでいけるか期待をしたいです。
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— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) April 15, 2025
【#U18アジア選手権】
日本代表選手紹介🇯🇵
4月15日〜18日開催✨
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◆男子100m#清水空跳(星稜高等学校)
自己記録: 10秒26
生年月日: 2009年2月8日
本日よりサウジアラビアで開催🇸🇦
応援よろしくお願いいたします📣… pic.twitter.com/rK6Otgd5rh
準決勝・決勝スケジュールとライバル予想
ラウンド | 日時(予定) | 主な対抗馬(今季成績上位) |
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準決勝 | 7/4(金)20:25 | 坂井隆一郎/多田修平/小池祐貴/桐生祥秀 ほか |
決勝 | 7/5(土)18:30 | 上記+井上直紀・山縣亮太 ほか |
決勝は気温が下がり向かい風が弱まる夕方。高校新を狙う最高の舞台が整います。
まずは決勝の舞台まで駆け上がれるか、要注目です。
日本選手権“最終順位”大胆シミュレーション
勝手ながら日本選手権の男子100mの最終結果を予想してみました。
清水選手は4位~6位と予想していますが、状況次第ではトップ3に食い込んでくることも期待してしまいます。
個人的な予想
予想順位 | 選手 | タイム目安* | コメント |
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1位 | 坂井隆一郎 | 10.02〜10.06 | 2年連続王者、勝負強さ◎ |
2位 | 小池祐貴 | 10.05〜10.08 | 今季安定感抜群 |
3位 | 多田修平 | 10.08〜10.10 | スタート名手 |
4〜6位 | 清水空跳 | 10.08〜10.15 | 高校2年新記録更新期待 |
5〜7位 | 桐生祥秀 | 10.15〜10.20 | 仕上がり次第 |
6〜8位 | 井上直紀/山縣亮太 | 10.18〜10.22 | 怪我明けの調子次第 |
* 風速±0.2 m/sを想定
ポイント
- 予選のフォームには余裕があり、無風〜微追い風ならさらに0.03〜0.05秒短縮可
- 追い風1.5 m/s程度が吹けば、表彰台への扉も開く
どこまでタイムを伸ばせるか? 技術データからの試算
要素 | 現状 | 伸びしろ |
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リアクションタイム | 0.152〜0.158 秒 | 0.13秒台へ短縮余地 |
後半加速(70〜100 m) | 大学生上位と同等 | 体幹・バネ強化で−0.03秒 |
レース経験 | 全国レベル10本未満 | IH・国体で経験値UP |
今季ピーク予想としては10秒05〜10秒15あたりでしょうか。
高校新(10.01/桐生、追風1.5 m)まではあと0.1秒強。高校2年生としては十分射程圏です。
まずは高校2年生のうちに10秒10を切ってくると、来年が楽しみです。
世界陸上東京2025代表入りシナリオ
選考条件(抜粋) | 現状 | 必要アクション |
---|---|---|
① 日本選手権3位以内+参加標準10秒00突破 | 予選力は4位相当/PB10.19 | 10秒00切り→現時点では高めの壁 |
② 日本選手権8位以内+世界ランキング枠 | 射程内 | 8月24日までに10秒1台レース複数回でポイント加算 |
③ 開催国枠(日本に出場者ゼロの場合) | 9秒台有資格者が多数 | 該当せず |
現実的ルートは②ランキング枠。 国体やグランプリシリーズで10秒1台を重ね、ポイントを積み上げれば“滑り込み内定”の芽は十分残ります。
まとめ 〜10秒10の壁を越えて世界へ〜
日本選手権最終順位:4〜6位が濃厚。ただし追い風が味方すれば表彰台も。
- 記録伸長幅:今季ピークで10秒05〜10秒15。状況によっては高校新&U18日本新更新チャンス大。
- 世界陸上代表:10秒00突破は高いハードル。ランキング枠が鍵。出場計画とコンスタントな10秒1台が勝負を決める。
高校2年で日本トップ層に割って入る才能は稀有。
“桐生2世”清水空跳が決勝の大舞台でどんなインパクトを残すのか――日本陸上界の未来を占う注目レースから目が離せません!
日本選手権:結果
残念ながら、準決勝で4位で決勝へは進めませんでした。
3位と0.01秒差のとても惜しい結果でしたが、日本記録保持者の山縣選手よりも先行していますし、高校2年生としては素晴らしい結果でしたね(リアクションタイムがあと少しだけ早ければ・・・)。
