
後藤大樹選手は、日本の陸上界に突如現れた注目の若手アスリートです。特にハードル種目において、その才能をいかんなく発揮し、すでに数々の歴史的な記録を打ち立てています。
彼の活躍は、日本陸上界の未来を大きく期待させるものとして、多くの注目を集めています。
基本的な情報と所属
京都・洛南高校での活躍
後藤大樹選手は現在、京都の名門・洛南高校に所属しています。
千葉県四街道北中学校出身ですが、競技力を高めるために京都への越境入学を決断しました。これは、彼がいかに陸上競技に真摯に向き合っているかを示すエピソードと言えるでしょう。洛南高校という強豪校の環境で、日々厳しいトレーニングを積み、その才能をさらに開花させています。
主な出場種目と自己ベストは?
後藤大樹選手が主に活躍しているのは、400mハードルと110mハードルです。
しかし、彼はスプリント能力も非常に高く、100mで10秒55(+0.6)、200mで21秒28(-2.0)という記録も持っています。
400mハードルでは高校1年生にして49秒84という驚異的なタイムを記録し、110mハードル(U20規格)では中学時代に13秒83をマークしています。これらの記録は、彼が単なるハードラーではなく、総合的なスピードを持つ稀有な選手であることを証明しています。
快進撃!後藤大樹の主要大会での驚異的な記録
後藤大樹選手は、その短い競技キャリアの中で、すでに数々の大会で歴史的な記録を達成しています。特に高校生になってからの活躍は目覚ましく、陸上ファンに大きな衝撃を与え続けています。
インターハイ400mH優勝:高校1年生初の49秒台、大会新記録を樹立
2025年7月27日に広島で行われた全国高校総体(インターハイ)の男子400mハードルにおいて、後藤大樹選手は、タイムレース最終3組に出場し、49秒84の大会新記録で優勝しました。
これは高校歴代3位の記録であり、U18アジア最高記録をも更新する快挙でした。さらに特筆すべきは、彼が高校1年生として初めて49秒台をマークし、インターハイで優勝したことです。
決勝では家入俊太選手(東福岡3)と激しいトップ争いを繰り広げ、家入選手も49秒98という高校歴代5位の記録を出し、史上初めて同一レースで複数の高校生が50秒を切るという激戦を制しました。
中学時代からの輝かしい軌跡:全中110mH制覇とU20規格中学最高記録
後藤大樹選手の才能は、高校入学前から突出していました。
中学3年生の時には、2024年8月の全日本中学選手権110mハードルを13秒93で制し、全国中学校体育大会(全中)覇者となりました。
さらに、同年10月に行われた佐賀国民スポーツ大会の少年男子B110mハードル(U20規格)では、13秒83(+1.6)という大会新記録で優勝。この記録は、U20規格における中学最高記録を塗り替えるものでした。
これまで髙城昊紀選手(宮崎西高1)が持っていた記録を上回り、その才能の片鱗を見せていました。
U18アジア最高、世界ランキングでの評価は?
インターハイで後藤大樹選手が樹立した400mハードルの49秒84は、U18アジア最高記録であり、U18今季世界でも上位にランクインする好記録です。これにより、彼はアジアのみならず、世界のユース世代においてもトップレベルの選手であることが証明されました。
2025年7月時点の彼の生年月日が不明なため確かなことは言えませんが、もし今年度まだ誕生日を迎えておらず15歳であれば、15歳以下世界歴代最高となる可能性も秘めています。
洛南高校リレーチームでの貢献
後藤大樹選手が所属する洛南高校は、陸上競技の名門として知られています。
今回のインターハイ男子4x100mリレーでも、洛南高校は39秒49という高校歴代3位の記録をマークし、3年ぶりの優勝を果たしています。後藤大樹選手自身は今回のリレーメンバーではなかったようですが、彼が洛南高校のチームメイトとして、高いレベルで切磋琢磨していることは間違いなく、チーム全体の競技力向上に貢献していると言えるでしょう。
「怪物」と呼ばれる理由:後藤大樹の強みと成長の秘訣
後藤大樹選手は、その驚異的な記録と成長速度から、陸上界で「怪物」と称されることがあります。彼の強さと成長の秘訣には、いくつかの要因が挙げられます。
スプリント能力とハードル技術の融合
後藤大樹選手の最大の強みは、高いスプリント能力と優れたハードル技術が融合している点にあります。
100mで10秒台、200mで21秒台前半というスピードは、400mハードルにおいて有利に働きます。彼は予選で「リズム、リズムでバックストレートはいって、後半に上げていく」という感覚で走っていましたが、決勝では「自分からハードルに向かっていく」という強気の姿勢で、積極的にレースを展開しました。この積極的な走りが、高1初の50秒切りという快挙、そしてインターハイ優勝へとつながったのです。
逆境を乗り越える精神力と謙虚な姿勢
中学時代から怪我が多く、辛い時期もあったと語る後藤大樹選手ですが、それらを乗り越え、目標に向かってひたむきに努力を続ける精神力を持っています。インターハイ予選で自己ベストを更新しながらも、「もっといける」と感じたという向上心も彼の大きな特徴です。
また、自身の記録更新や優勝に対しても、「親に恩返ししたかった」「達成感がある」と語る謙虚な姿勢も持ち合わせており、周囲から愛される理由の一つとなっています。
為末大選手と比較されるそのポテンシャル
後藤大樹選手の活躍は、日本男子400mハードルのレジェンドである為末大選手と比較されることもあります。為末大選手が1996年に樹立した高校記録49秒09は、後藤大樹選手の49秒84によって、一気に射程圏内に入ってきました。
まだ高校1年生である後藤大樹選手の底知れないポテンシャルは、為末大選手のような世界で戦える選手になることを予感させ、今後の成長に大きな期待が寄せられています。
後藤大樹の人間性:家族への感謝と競技へのひたむきさ
後藤大樹選手の強さは、競技能力だけでなく、その人間性にもあります。特に、家族への感謝の気持ちと、陸上競技に対するひたむきな姿勢は、多くの人々に感銘を与えています。
越境入学を決断した背景と親への想い
後藤大樹選手は、中学時代に千葉県で活躍していましたが、高校は京都の名門・洛南高校への越境入学を選びました。この決断は、競技環境をさらに高めるためのものでしたが、後藤大樹選手は「親にも迷惑をかけました」と語っています。
しかし、その迷惑をかけた分、「記録で恩返しするしかないので、本当に達成感があります」と、親への感謝と恩返しの気持ちを原動力に変えて、日々の練習に取り組んでいます。
彼の活躍の陰には、家族の支えと、それに応えようとする強い意志があることがうかがえます。
怪我を乗り越え、目標に向かう姿勢
中学時代から度重なる怪我に苦しんできた後藤大樹選手ですが、そのたびに乗り越え、競技に復帰してきました。
全中110mハードルで優勝した際も、「けがが多くてつらかったが、優勝できてよかった」と振り返っています。困難な状況に直面しても諦めずに、自分の目標に向かって努力を続けるひたむきな姿勢は、彼の最大の魅力の一つです。
後藤大樹が描く未来:目標と展望
まだ高校1年生ながら、すでに日本陸上界のトップレベルに名を連ねる後藤大樹選手。彼の目は、すでにその先を見据えています。
高校記録更新、そしてその先の48秒台へ
後藤大樹選手は、為末大選手が持つ高校記録49秒09の更新を射程圏内にとらえています。彼は「将来的には高校記録を更新し、48秒台を出すことが目標」と明確に語っており、高校在学中での目標達成に強い意欲を示しています。
48秒台という記録は、日本のトップ選手でもなかなか到達できない領域であり、彼がこの目標を達成すれば、日本陸上界の歴史に名を刻むことになるでしょう。
複数種目での活躍:スプリンターとしての可能性
後藤大樹選手は、「将来的にまだ種目を絞っていません。秋には200mにもチャレンジするつもりで、いろいろな種目で活躍できる選手になりたいです」と語っています。
ハードルだけでなく、スプリント種目でも高い能力を示していることから、今後どのような種目で才能を開花させていくのか、大きな注目が集まっています。彼の言葉からは、自身の可能性を限定せず、常に挑戦し続けるアスリートとしての姿勢がうかがえます。
オリンピック、世界大会への夢
後藤大樹選手の最終的な目標は、オリンピックや世界大会のような大舞台で活躍することです。
「オリンピックに出るようなトップ選手と争えるようになりたい」という彼の言葉は、その夢の大きさを物語っています。まだ高校生活が始まったばかりですが、彼の今後の成長と、日本を代表する選手として世界の舞台で活躍する姿に、大きな期待が寄せられています。