東京世界陸上2025 マラソン・競歩コース概要と沿道観戦ガイド

東京の街そのものがスタジアムに――。

2025年9月に開催される世界陸上東京大会では、マラソンと競歩が都心の公道を舞台に行われます。選手たちは国立競技場を出発し、銀座や日本橋、皇居、東京駅といった名所を駆け抜け、観客はチケットなしで沿道から声援を送ることができます。

本記事では、マラソンと競歩それぞれのコース概要と、一般の人が自由に観戦できるおすすめスポット、注意点をわかりやすくまとめました。

目次

マラソンのコース概要(スタート/ゴール・経路と見どころ)

東京2025世界陸上の男女マラソン(女子:9月14日、男子:9月15日)国立競技場(東京・新宿区)を発着点として、市内の公道上に設定された42.195kmのコースで争われます。

スタート直後、選手たちは国立競技場内のトラックを数周走った後にスタジアムを出発し、まず外苑西通りから靖国通りへと進みます。序盤約5kmまでは上り下りのある起伏に富んだコースですが、その後はほぼフラットになります。約8km地点で東京ドーム(後楽園・水道橋周辺)の近くを通過し、そこから神保町方面へ向かいます。神保町(千代田区)に到達した後、選手たちは約13kmの市街地周回コースを2周走ります。

この周回コースでは、秋葉原(世界的に有名なサブカルチャーの街)や日本橋(江戸時代からの商業・文化の中心地)、銀座(歴史と最先端が融合する街)、皇居周辺の緑豊かな景観、そして赤レンガ駅舎が象徴的な東京駅前といった東京の名所を巡るように設定されています。

各周回には折り返しポイントが3か所含まれ、選手たちは都心の主要スポットを縫うように走ります。2周回(約26km)を走り終えた後は再び西方向、スタート地点方面へ折り返し、後楽園・東京ドーム脇を通過して国立競技場を目指します。レース終盤の38km過ぎから40km付近にかけては上り坂が待ち構えており、この登り区間が勝負の分かれ目になるポイントです。難所を乗り越えた選手たちは、そのまま国立競技場に戻りトラックでフィニッシュします。

スタート・ゴールの国立競技場では大観衆の出迎えが予定されており、世界一を決めるドラマの舞台となります。なお、猛暑対策のため男女マラソンのスタート時刻は当初予定の午前8時から繰り上げられ、午前7時30分に号砲が鳴ることになりました。

早朝からのレースとなりますが、東京の都市景観を背景に繰り広げられる白熱の展開に注目です。

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競歩のコース概要(種目・周回コースの特徴)

東京世界陸上では競歩都内の公道コースで実施されます。

男女35km競歩は大会初日の9月13日朝、男女20km競歩は9月20日朝にスタートし、いずれも国立競技場をスタート/フィニッシュ地点とする設定です。スタート後、競歩の選手たちはスタジアムを出てすぐ隣の明治神宮外苑エリアへ向かい、聖徳記念絵画館(中央にドーム屋根を持つ歴史的建造物)周辺に設けられた周回コースでレースを行います。

コースはほぼ平坦で、絵画館前から銀杏並木にかけての外苑周辺道路の一部を利用した折り返し周回路になっています。競歩は周回数が多いため種目ごとに距離設定が工夫されており、35km競歩は約2kmのコースを16周、20km競歩は約1kmのコースを18周してそれぞれ規定距離を歩く形となりました。

明治神宮外苑の競歩コースは100年近い伝統を持つ景観の中にあり、中央にそびえる聖徳記念絵画館のドームを望みながら、秋には黄金色に染まる銀杏並木の通り沿いを歩くコースでもあります(世界陸上本番時は夏の開催)。周回中は大きな高低差もなく、選手にとっても歩きやすいレイアウトですが、その分ハイペースの駆け引きが繰り広げられるでしょう。

競歩もマラソンと同様に最後は国立競技場に戻ってゴールとなり、スタジアムの観衆の目前でメダル争いが決します。東京大会での35km競歩は今回が最後の実施(次回大会から42.195kmに変更予定)と発表されており、記念すべきレースにもなります。普段なかなか観る機会のない世界トップレベルの競歩も、大会序盤と終盤で開催される見逃せない種目です。

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沿道から自由に観戦できる場所

マラソンと競歩はいずれも街中の公道を使用するため、コース沿道であれば基本的にチケット無しで自由に観戦可能です。今回のマラソンコースは東京の中心部を通るため、多くのエリアで沿道から選手の走りを間近に応援できます。

なかでもおすすめの観戦スポットの一つが、中央区の中央通り(日本橋~銀座付近)です。

中央通りの日本橋室町四丁目交差点から銀座四丁目交差点にかけての区間は、コース上で最も見通しの良い一直線のストレートになっています。選手たちはこの区間を折り返しのため2往復(往路・復路各2回)通過するため、一度陣取れば同じ選手を最大で4回も見ることができる絶好のポイントです。

実際、日本橋エリアは両方向の選手を視界に収められる貴重な場所で、トップ集団が目の前を通過してからわずか10分ほどで折り返して戻ってくるほどコース幅がコンパクトです。日本橋からは神田方面(北方向)も銀座方面(南方向)も一直線に見渡せるため、コース上最長の観戦距離を確保できるとの声もあります。

沿道には大会期間中、東京都などが設置する「クーリングスポット(暑さ凌ぎ用の休憩所)」も複数用意されており、例えば京橋の東京スクエアガーデン1階にはベンチや送風機、給水器を備えた休憩所が開設されました。レース途中で涼みながら観戦できる工夫がされていますので、暑さ対策をしつつ沿道から世界トップランナーの走りを堪能できるでしょう。

競歩のコース(神宮外苑)も沿道観戦が可能です。

外苑周辺の聖徳記念絵画館前道路は普段から歩道が整備されており、大会時も歩道側からであれば競技の様子を自由に見ることができます。周回コース上を選手たちが何度も往復するため、競歩も同じ場所で何度も選手を応援できるのが魅力です。絵画館前の広場やいちょう並木の歩道沿いは観戦スポットとなります。

ただし周回部の路上は選手専用エリアになるため、横断は指定箇所以外禁止になる見込みです(詳細は後述の注意点をご参照ください)。スタートとフィニッシュはスタジアム内ですが、外苑周辺の沿道では無料で観戦できますので、世界レベルの競歩の迫力を間近で体験してみてください。

特に9月13日の35km競歩は大会最初の種目で日本人選手のメダルも期待されるため、大勢のファンが外苑に駆け付けているようです。なお、競歩20kmについても同様に外苑で実施され、大会最終盤9月20日の朝に男女レースが行われます。

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沿道観戦の注意点(交通規制・混雑対策など)

沿道で観戦する際はいくつかの注意点があります。

まず、レース当日は早朝から大規模な交通規制が敷かれます。マラソン実施日の14日・15日は都心の広範囲で朝7時頃から道路が封鎖され、女子マラソン当日の14日は11時50分頃まで、男子マラソン当日の15日は11時10分頃まで交通規制が続く道路があります。首都高速道路でも外苑出入口や飯田橋出口などが閉鎖されるなど、車両通行に大きな制限が掛かりました。そのため観戦に訪れる際は公共交通機関を利用し、時間に余裕を持って行動してください。

大会主催者も「沿道は混雑が予想されるので、車や自転車での来場は控えてほしい」と注意喚起しています。会場周辺の最寄り駅(国立競技場駅、千駄ヶ谷駅、信濃町駅など)も非常に混み合うため、場合によっては一駅手前で降りて徒歩移動するなど工夫するとよいでしょう。特にスタート直後やフィニッシュ前後の時間帯は、人出が集中して駅や道路が混雑します。公共交通を利用し、係員の指示に従って安全に行動してください。

次に、沿道での観戦場所は早めに確保することをおすすめします。

レース開始が近づくとコース周辺は立ち入り規制が強まり、歩行者の横断も制限されます。一度コース沿いの応援場所に入ったら、レース終了まで反対側へ渡れなくなるケースもあります。観戦したい場所の近くまで事前に行き、早い時間帯から待機する方が無難です。

特に神宮外苑の競歩コース周辺では、9月13日朝に車両規制や歩行者横断規制が行われ、病院利用者への注意喚起も出たほどでした。マラソンコース上でも同様に、沿道と沿道を結ぶ横断は警備員の指示がある場所・時間帯以外はできません。当日は警察官や大会スタッフの案内に従い、無理な横断や観戦エリア外に立ち入ることのないようにしてください。

さらに、暑さ対策にも十分注意が必要です。

大会期間中の東京は真夏並みの厳しい残暑に見舞われ、連日気温30℃を超えるコンディションが予想されます。主催者や東京都は、国立競技場周辺やマラソンコース沿いにクーリングスポットを設置し、無料の飲料水やうちわを配布するなどの暑熱対策を講じています。競技場内でもミストシャワー冷却装置を稼働させ、観客にこまめな水分補給を呼びかけられています。

沿道で観戦する皆さんも、帽子や日傘を活用し、適度に日陰で休む・水分補給をするなど熱中症予防を心がけてください。先述のとおり沿道の休憩所ではベンチや冷風機が用意されていますので、うまく活用すると良いでしょう。特にマラソンは朝とはいえレース終了が午前10時台まで及ぶため、日差しが強く気温も上昇します。長時間の屋外観戦になる場合は塩分補給や冷却グッズの持参もおすすめします。

最後に、観戦マナーにもご協力ください。

沿道は多数の観客で混雑しますので、周りの人と譲り合って場所を確保し、大声での罵声やフラッシュ撮影など選手の妨げになる行為は慎みましょう。コースに飛び出したり、選手に触れようとするのは大変危険です。近年はドローンの飛行禁止などもアナウンスされています。

世界的なイベントを安全かつ快適に楽しむため、「見る側」のルールを守ることも大切です。これらの注意点を踏まえつつ、東京の街を舞台に繰り広げられる世界陸上のマラソン・競歩をぜひ沿道から熱い声援で後押ししましょう。選手たちにとっても、皆さんの応援が力になるはずです。

世界トップレベルの戦いを生で観られる貴重な機会、マナーと準備を万全にして存分に楽しんでください。

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