
2025年9月、陸上競技の世界最高峰の大会である世界陸上競技選手権大会(通称:世界陸上)が東京で開催されます。東京での世界陸上開催は1991年大会以来実に34年ぶりで、日本開催としては2007年大阪大会を含め3回目となります。
今回は東京世界陸上2025として、新しくなった国立競技場を舞台に約210の国と地域から約2000名のトップアスリートが集結し、全49種目で世界一を競います。一般の陸上ファンから家族連れまで楽しめるこの大会について、開催日程(競技スケジュール)やチケット情報、テレビ放送時間・視聴方法、さらには見どころとなる種目や注目選手まで、わかりやすく網羅的に解説します。
東京世界陸上の日程と大会スケジュール
東京世界陸上2025は2025年9月13日(土)から9月21日(日)までの9日間にわたり開催されます。大会初日から最終日まで、毎日モーニングセッション(午前)とイブニングセッション(午後~夜)の2部構成で競技が行われ、期間中ずっと熱戦が繰り広げられます。
開幕日の9月13日午前には男子・女子35km競歩決勝が行われ、日本男子では世界記録保持者の川野将虎選手が悲願の金メダルに挑みます。
大会2日目の9月14日朝には女子マラソン決勝が都内コースでスタートし、沿道の声援を受けながらの熱いレースが期待されます。さらに同日夜には陸上の華である男子100m決勝と女子100m決勝が予定されており、世界最速の座を懸けたスプリント決戦が大会序盤のハイライトとなります。
9月15日(月・祝)朝には男子マラソン決勝も控えており、東京の街路を舞台に世界トップランナーたちの争いが展開されるでしょう。
大会後半では、各種目の決勝が連日行われます。
特に最終日9月21日(日)の夜は見逃せません。プログラム最後を飾る男子4×100mリレー決勝では、日本代表リレーメンバー(通称「リレー侍」)が地元の大声援を受け、悲願の金メダルを目指します。この男子4×100mリレーは東京世界陸上の最終種目として予定されており、まさに有終の美を飾るクライマックスです。
また同じ最終日には女子走高跳決勝でウクライナの世界記録保持者ヤロスラワ・マフチフ選手が世界新記録に挑戦するといった場面も予定されており、大会の締めくくりに相応しい白熱した競技が続くでしょう。
■東京世界陸上2025主要日程ハイライト
9月13日(Day1):午前に男女35km競歩決勝。夜は女子10000m決勝や混合4×400mリレー決勝など。
9月14日(Day2):朝に女子マラソン決勝。夜に男子100m・女子100m決勝(世界最速決定戦)。
9月15日(Day3):朝に男子マラソン決勝。夜に男子110mハードル決勝や男子400m決勝など。
9月16~20日(Day4-8):各種目の準決勝・決勝が多数開催。男子200m・女子200m決勝、各種跳躍・投擲種目決勝など。
9月21日(Day9):大会最終日。夜に男子走高跳決勝、男女4×400mリレー決勝、男子4×100mリレー決勝(大会最後の種目)など。
各日の詳しい競技開始時間や種目順は大会公式サイトやTBSの特設ページで公表されています。観戦にあたっては、自分が応援する種目の日程を事前にチェックしておくと良いでしょう。
東京世界陸上のチケット情報(種類・価格・購入方法)
東京世界陸上の観戦チケットは全席指定で、セッション(日時)ごとの販売となっています。チケットにはプレミアム席からカテゴリーA/B/C席まで5種類の席種が設定されており、席の場所によって価格が異なります。
例えば、一番リーズナブルなカテゴリーC席はモーニングセッションなら2,500円、土日夜のイブニングセッションでも5,000円と比較的手頃な価格で世界トップレベルの戦いを観戦できます。
一方、ゴール付近の見やすいエリアとなるプレミアム1席では土日祝のイブニングセッションが50,000円と設定されており、臨場感抜群の特等席で世界記録級の瞬間を目撃できるプレミアムな体験となります。
この他、ゆったり観戦できるテーブル付きペアシートや、飲食・ラウンジ利用が可能なホスピタリティパッケージ(追加オプション料金あり)も用意されており、ニーズに合わせた観戦スタイルが選べます。
チケットの購入方法は、大会公式の指定販売サイトからオンラインで申し込むのが基本です。公式に認められた販売チャネルはチケットぴあやTBSチケットなど計6サイトのみであり、転売目的の非公式販売には注意するよう呼びかけられています。
一般販売(先着)は2025年1月31日から開始され、多くのセッションでチケットが発売中です。特に人気の高い男子100m決勝やリレー決勝が行われるDay2・Day7・Day8・Day9のイブニングセッションは当初早期に完売となりましたが、2025年6月13日より追加席種の販売が開始されました。
新たに設けられたテーブル付きペアシートなども含め、再び購入可能になっていますので「チケットが取れなかった…」という方も最新情報を確認してみてください。
なお、小中学生のお子さんがいるご家庭向けには嬉しいニュースもあります。東京都が実施する「子供観戦招待」プログラムにより、都内在住の子供は無料、引率の保護者も1名あたり2,025円という特別価格で世界陸上を観戦できる応募制度が設けられています。夏休み明けの貴重な機会に、家族で世界トップレベルの競技を生で体感できる絶好のチャンスです。
チケット購入に際しては、事前に大会公式ホームページの「チケット情報」ページをよく読み、販売スケジュールや購入手順を確認しましょう。不明点があれば公式FAQをチェックして解消しておくと安心です。
また、当日券の有無や公式リセールサービス(チケットの公式再販)は2025年6月以降に案内予定とされています。必ず適正なルートでチケットを入手し、安心して大会当日を迎えてください。
東京世界陸上のテレビ放送時間・ネット配信予定
陸上ファンにとって気になるのが、テレビやインターネットでの中継・配信情報です。
東京2025世界陸上は、日本では民放のTBS系列にて全日程で生中継される予定です。TBSはこれまで「世界陸上」の放送に力を入れており、今回もゴールデンタイムを中心に各種決勝種目の模様をライブで届けてくれるでしょう。
具体的なテレビ放送時間は大会直前に番組表で案内されますが、典型的にはイブニングセッションの時間帯(夕方~夜の18~22時頃)にTBS系列全国ネットで生放送が行われ、注目種目の決勝レースや表彰式の様子がリアルタイムで流れる見込みです。開催地が日本ということで時差もなく、連日プライムタイムに世界トップレベルの戦いを生中継で観られる絶好の機会となります。
インターネットでのライブ配信についても、TVerなどの動画配信サービスで主要競技が同時配信される可能性があります。昨今はテレビとネットで同時中継するスポーツ番組も増えており、TBSの公式サイトやTVerアプリを通じてスマホやPCからライブ観戦できるよう準備が進められているようです(詳細な配信プラットフォームは大会が近づいた夏頃に発表予定)。
また、TBSは大会公式X(旧Twitter)やYouTubeチャンネルでもハイライト動画や選手インタビューなど独自コンテンツを発信する計画を明らかにしています。地上波放送とあわせてネット配信やSNSも活用することで、大会の盛り上がりをより身近に感じられるでしょう。
海外在住の方や日本国外から視聴したい方は、地域制限のない視聴手段にも注目です。
ワールドアスレティックス(WA=世界陸連)公式が提供するライブ配信や、NHKワールド、J SPORTSといった海外向けチャンネルで一部種目が放送される可能性もあります。最新の放送スケジュールや配信情報は大会公式サイトやスポーツニュースで随時発表されますので、見逃したくない競技がある方は事前にチェックしておきましょう。
東京世界陸上2025の見どころ:注目種目と注目選手
最後に、東京世界陸上でぜひ注目したい種目や、日本人・海外のスター選手を紹介します。世界の超人たちが一堂に会する世界陸上では、陸上ファン垂涎の名勝負が数多く生まれることでしょう。
注目の種目・種目別見どころ
男子100m
はなんといっても最大の注目種目です。世界記録更新の期待がかかる短距離決戦であり、オリンピックや前回大会のメダリスト同士が0.01秒を争うハイレベルな戦いとなります。東京大会でも予選からスタジアムは大いに盛り上がり、決勝ではスタートの号砲からわずか10秒足らずで世界最速が決まる瞬間に観客全員が息を呑むでしょう。
女子マラソン
日本開催ならではの見どころです。都心の名所を巡る42.195kmのコースで、各国代表のトップランナーたちがスタミナと戦略を駆使したレースを展開します。終盤のスパート合戦や、日本勢の健闘に沿道から大声援が送られる様子は、マラソン王国・日本ならではの熱気を生むに違いありません。競歩と並んでロード種目は午前中に実施されるため、早朝から多くの観衆が沿道に詰めかけ、大会を盛り上げるでしょう。
男女混合4×400mリレー
近年注目度が高まっている新しい種目です。男女2人ずつがチームを組むユニークなリレーで、各国がオーダー順や配置に戦略を凝らし、バトンパスにも高度なチームワークが要求されます。東京世界陸上でもこの混合リレーは初日(9月13日)の夜に決勝が行われますが、会場全体が一体となって盛り上がるエキサイティングな種目となるでしょう。
その他
男子棒高跳では世界記録保持者のA.デュプランティス(スウェーデン)が自身の持つ記録更新に挑む可能性がありますし、男子400mハードルでは各国の超人ハードラーたちによる世界記録に迫る激戦が期待されます。
男子十種競技や女子七種競技といった総合力No.1を決める種目も、競技2日間を通じてドラマティックな展開が見逃せません。
十種競技の最後には男子1500mが行われる予定で、最終種目を終えた瞬間にチャンピオンが決まる感動的なシーンが東京でも生まれるかもしれません。
注目の日本人選手
開催国・日本の代表選手たちの活躍も大きな見どころです。
短距離(男子100m等)
日本記録(9秒95)更新も期待されるエーススプリンターのサニブラウン・ハキーム選手に注目が集まります。サニブラウン選手は前回大会(2022年オレゴン)で日本人初の決勝進出を果たし6位入賞という快挙を遂げましたが、今回は地元の追い風を受けてメダル獲得という大目標に挑みます。
100mの他にも、小池祐貴選手や桐生祥秀選手をはじめとする短距離陣が男子4×100mリレーで表彰台を狙います。リレー種目は日本が世界と渡り合える分野であり、最終種目でのメダルなるか「リレー侍」の走りから目が離せません。
中長距離
女子1500mの田中希実選手が注目株です。田中選手は東京五輪で日本新記録となる快走を見せており、今回の世界陸上でも日本女子中距離史上初の決勝進出が期待されています。さらに東京大会では5000mとの二種目出場も視野に入れており、連日のタフなレースに挑む姿は観る者に勇気を与えてくれるでしょう。
障害種目
三浦龍司選手(男子3000m障害)も要注目です。三浦選手は2021年東京五輪で日本勢初の入賞(7位)を果たすなど、世界に通用する若きホープです。地元開催の今回は決勝でさらに上位を狙う走りが期待され、「日の丸」を背負って世界と競る姿に大きな声援が送られるでしょう。
フィールド種目
日本勢初の世界選手権メダリストとなった北口榛花選手(女子やり投)にも注目です。北口選手は2022年大会で銅メダルを獲得しており、地元開催でさらなる快挙に挑みます。
また男子走高跳日本記録保持者の戸邉直人選手や男子走幅跳の橋岡優輝選手なども、それぞれ入賞・メダルを狙える実力者です。さらに男子35km競歩の川野将虎選手は前回大会で銀メダルを獲得した日本のエースであり、今回は世界新記録保持者として地元金メダルに挑みます。競歩日本勢の活躍にも期待が高まります。
注目の海外トップ選手
海外勢にもスーパースターが多数揃います。
男子短距離では、アメリカのノア・ライルズ選手は要チェックです。ライルズ選手は200mの現世界王者であり、2024年パリ五輪100mでも金メダルを獲得した現役最強スプリンター。東京の100mでも優勝候補筆頭として「世界最速の男」の称号を狙います。そのライバルとなるのがジャマイカの新星スプリンターたちです。パリ五輪で銀メダルに輝いたオバデレ・トンプソン選手(ジャマイカ)ら若手が台頭しており、ライルズ vs ジャマイカ勢の激突から目が離せません。
女子短距離では世代交代が進んでいます。アメリカのシャカーリ・リチャードソン選手は2023年世界選手権100m金メダリストで、東京大会でも100m・200mの二冠を狙う存在です。また、セントルシア出身のジュリエット・アルフレッド選手は2024年パリ五輪100mで金メダルを獲得した期待の新女王であり、東京でも表彰台争いに加わるでしょう。
一方で、五輪三連覇など数々の伝説を持つジャマイカのシェリー=アン・フレイザー=プライス選手の出場動向も話題です。母となった今も第一線で戦うフレイザー=プライス選手が東京のトラックに立てば、大歓声で迎えられることは間違いありません。
フィールド種目では、男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス選手(スウェーデン)がまたも自身の世界記録更新に挑むか注目です。彼は6m23という驚異的な世界記録を樹立していますが、尚も限界に挑戦し続けています。東京の夜空に架かる6m超えの大ジャンプは、観客を熱狂させるでしょう。
同様に女子走高跳ではウクライナのヤロスラワ・マフチフ選手が2024年に37年ぶりとなる世界新記録を打ち立てました。祖国の期待を背負う彼女が東京の地でさらに記録を伸ばす可能性にも注目です。
他にも、男子マラソンではケニア・エチオピア勢による熾烈な優勝争い、男子400mハードルでは世界記録保持者のカーステン・ウォーホルム選手(ノルウェー)と若き天才アリソン・ドスサントス選手(ブラジル)の対決、女子三段跳では五輪金メダリストのユリマル・ロハス選手(ベネズエラ)の空前絶後の大ジャンプなど、挙げきれないほど数多くの見どころがあります。まさに“一瞬たりとも見逃せない”のが世界陸上の醍醐味です。
まとめ:東京世界陸上2025を楽しもう!
以上、東京世界陸上2025の開催日程、チケット情報、放送予定、そして見どころについて詳しく解説しました。34年ぶりの東京開催となる今大会は、日本中の陸上ファンはもちろん、普段あまり陸上競技に触れない方々にとっても特別なイベントとなるでしょう。世界最高峰の選手たちが繰り広げる熱戦の数々は、きっと私たちに感動と興奮を与えてくれるはずです。
スタジアムで直接観戦する方は、生の迫力と会場の一体感を存分に味わいましょう。テレビやネット観戦の方も、連日の中継でお気に入りの選手を応援したり家族で盛り上がったりと、自宅にいながら世界陸上の雰囲気を楽しめます。東京の空の下、選手たちの熱いドラマが展開される9日間を思う存分満喫してください。東京世界陸上2025は、陸上ファンにとっても、新たに陸上の魅力に触れる人々にとっても、忘れられない夏の思い出となることでしょう。